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■■ 特別急行列車 はと 1960年 ■■
1960年(昭和35年)5月

1960年5月31日で東海道本線の客車特急『各等特別急行列車はと』が
電車置き換えのため廃止されるというので
その姿をとどめて置こうとカメラを持って東京駅に出かけてゆきました
何日だったか記録も記憶もありませんが
間違いなく昭和35年の5月の事でありました


 12時30分発車ですから、日本橋にあった勤務先の会社の 、土曜日終業時刻が14時なので、昼休みに東京駅まで出かける勇気なんて無かった新入社員の私のことですから、平日、土曜日の筈は無く、多分日曜日のお昼に東京駅15番ホームにやってきたのでしょう。今日のカメラはオリンパスペンでなく、ミノルタセミPでした。

 葡萄色だった特別急行列車も、濁ったような草色になり、サイドの色帯もなくなり、なんだかちょっぴり好感度が落ちました。

 機関車はEF5864でした。

 スハニ35−スハ44・・・・・と客車群を引き連れたEF58です。

 スハ44は、座席が全て一方を向いた三等車です。 急行銀河で使ってるのを見たこともあります。機関車次位のスハニ35も同系です。特別急行でも 冷房なんか無かった時代です。照明も白熱灯。


車内は、今、写真で見ると、白熱灯、ニス塗りの壁、何となく荘重な感じがしないでもない
通路の真中にある真鍮の漏斗状のものは、痰壷か?灰皿か?
いつのまにか無くなってしまいましたが・・・・

 お次は食堂車。オシ17。すっかり食卓の支度も出来て、お客さんを待っています。テーブルクロスの掛かったテーブル、 コンポートのフルーツ、花、調味料。私は、メニューは持ってないのですが、当時は、お料理の種類も沢山あったはずで、ここで食べる事が出来なかった私、少々、残念な気持ちです。正面の棚もきちんと整えられています。

 二等車です。ナロ10。流石に室内照明は蛍光灯ですが、 冷房装置は無く、扇風機の列が目に付きます。

 さて、最後尾の12号車は一等展望車。形式はマイテ58です。カラーが葡萄色で白帯だったら、どんなに素晴らしかったことでしょう。さすが一等車。ホームにカーペットがしいてあります。 ついでに、車内も見せて頂きました。


展望車のテールマークのアップです


展望車のお客さんたち
窓の外を流れる風景は見ないような方です
奥の棚の書籍(・・・・か?)が乱れているのは少々残念


このソファから景色を眺めたかったなあ!!

 ホームの情景です。展望室のドアが開いていますので、出発して行くシーンではなさそうです。このショットが私の撮った『特別急行列車はと』の最後の写真になりました。


 最後に同年4月にオリンパスペンで撮った(フジカラーASA10フィルム)を御覧下さい。昔のカラースライドですし、保存も下手なので、色が良くありませんが、下の画像をクリックして下さい。四枚ほどカラー写真があります。

カラー版はこちら


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