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■■ (3)軽便鉄道法施行規則 ■■
閣令第12号
明治43(1910)年8月2日公布
明治43(1910)年8月3日施行
第一条 軽便鉄道免許の申請書は、主たる事務所を設置せんとする地の地方長官を経由して之を提出すべし。
第二条 地方長官は前条の申請書に意見書を附して進達すべし。起業が他の地方長官に係るときは、地方長官は関係地方長官に商議し前項の意見書を調製すべし。
第三条 免許の申請書は左の書類を添附し、申請者又は其の代理人が記名捺印すべし。但し代理人に於て記名捺印するときは其の委任状を添附すべし。
一 組合事業に在りては其の組合に関する契約書謄本
二 会社を設立せんとする者に在りては定款謄本
三 私設鉄道株式会社又は軌道会社に在りてはその登記謄本及定款謄本
四 府県郡其の他の公共団体に在りては其の団体の決議書
第四条 起業目論見書には左の事項を記載すべし。
一 目 的
二 鉄道の名称及主たる事務所設置地
三 事業資金の総額及其の出資の方法
四 線路の起点終点及其の経過すべき地名。但し線路の一部を道路上に敷設せんとするものは、其の区間を道路の種別に区分して之を記載すべし。
五 鉄道の種類及軌間。但し電気を動力とするものは原動方の種類、電気の方式及電気鉄道の方式を記載し、他より電力の供給を受くる者は供給者の住所氏名または名称を併せて記載すべし。
六 営業期間を定めたるときは其の期間
第五条 線路予測図は左の2種とす。
一 平面図
縮尺は1吋30鎖以上とし線路の地勢並停車場の位置及名称を記載し、距離は半哩毎に記載すべし。
二 縦断面図
縮尺は距離を1吋30鎖以上、高さを1吋150呎以上とし、中心線面の高低及施行基面の高低を示し、随道及橋梁の長さ、線路の勾配並停車場の位置及名称を記入すべし。
第六条 敷設費用の概算書は第一号様式に依り其の総額及内訳各項毎に金額を記載し、且(かつ)線路の哩数を掲ぐべし。
第七条 運送事業上の収支概算書は第二号様式に依り、収入及支出総額並其の内訳を示し、且資金に対する純金の割合を記載すべし。
第八条 軽便鉄道法第三条の規定に依る工事施行の認可を前に於いて、起業目論見書に記載したる事項を変更せんとするときは、地方長官を経由して認可を受くべし。
第九条 免許申請中申請者其の氏名又は住所を変更したるときは、1週間以内にその旨届出すべし。申請者中死亡したる者あるときは他の申請者より、既設の会社にして解散したるときは、精算人より1週間以内にその旨届出すべし。
第十条 工事施行の認可申請書は地方長官を経由して之を提出すべし。起業が他の地方管内に係るときは其の関係部介に対する書類図面の謄本を調製して之を関係地方長官に提出すべし。会社を設立したる場合に於いては工事施行認可申請書には会社の登記謄本を添附すべし。
第十一条 線路実測図は左の2種とす。
一 平面図
縮尺1吋30鎖以上とし、線路の左右各10鎖以内の地勢を明にし、その他附近の市街・村落・社寺・名勝・旧跡・公園・道路・山岳・河川・港湾・要塞地等を示し、府・県・郡・市・町・村の境界及磁針方位を記すべし。線路中心線の距離は半哩毎に記し、曲線の半径及交角・停車場・停留場・連絡所・信号所の名称及び哩程、並随道橋梁の名称及位置を示すべし。
二 縦断面図
縮尺は距離を平面図と同一にして高さは1吋150呎以上とし、中心線面の高低、施行基面の高低及築堤の高並切取の深さを10鎖毎に記し、随道及び橋梁(溝橋を含む以下同じ)の長さ、桁の種類及び数、停車場、停留場、連絡所及信号所の名称及哩程並国道その他の重要なる道路踏切の位置及線路の勾配を詳記すべし。
線路が他の鉄道又は軌道と交差連絡又は接近する時は、該線路の前後各半哩間の中心線及び高低の関係を明にすべし。
線路が市街地その他の重要なる地点を通過し又は之に接近するときは、別に明細図を添付すべし。
第十二条 工事方法書には左の事項を記載すべし。
一 単線又は複線当の区別
二 軌間又は軌道の間隔
三 建築定規及車輌定規(図面添付)
四 曲線の最小半径
五 線路の最急勾配
六 施行基面の幅、築堤及切取斜面の勾配並用地の幅(図面添付)
七 橋梁の台脚及基礎の施行方法、桁及其の材質構造寸法及所定最大活重並桁各部の最大応力(図面添付)
八 隋道の各種地質に関する施行断面、坑門及排水渠の構造(図面添付)
九 軌条及附属品の材質形状及重量、枕木の寸法及敷設間隔並転轍機及轍又の構造(図面添付)
十 停車場における諸建造物及側線の配置(図面添付)
十一 機関車に在りては
両数、形状及主要寸法(図面添付)
気筒の直径及衝程、汽缶の伝熱図、炉面の大及実用最高気圧、各車輪一対の負担重量並水槽及燃料槽の容量
汽缶及其の附属品、機械部、車台「ボギー」、車輪、車軸、櫓弾機及制動、牽引、緩衝等各装置の構造(図面添付)
客車貨車及その他の車輌に在りては
両数、形状及主要寸法(図面添付)
定員、積載量、容積及自重
車体及附属品、車台「ボギー」、車輪、車軸、櫓弾機及制動、牽引、緩衝、点灯等各装置の構造(図面添付)
十二 他の鉄道または軌道との交差方法
十三 其の他特種の設計に依り施設すべきは工事方法
電気を動力とするものは前項の外左の事項を記載すべし
一 電動機の種類、個数及馬力数
二 発電所、変電所、及配電所の位置並其の位置より軌道に達する電線路の経過地名(図面添付)
三 発電機の種類、個数、「ワット」数及最大電圧
四 変電器、電動発電機、電流変式機、蓄電池及「ブスター」の種類、個数及「ワット」数
五 発電所、変圧所及配電所内電線接続法(図面添付)
六 電線路の種類及構造
七 電気鉄道の方式、最大電圧及単線式に在りては軌条の接続法
八 自働車又は機関車内に装置する電動機の種類、個数、及馬力数、制御機の種類並其の他附属器具機械の種類、個数及其の装置法
第十三条 工事施工の認可を申請する場合に於いて停車場、橋梁、車両及電気に関する設計を確定すること能わざるときは其の理由を具し、大体の設計を定めて之が認可を受くることを得。此の場合に於いては更に詳細なる設計を定め認可を受くることを要す。
第十四条 工費予算書は第三号様式に依り調整すべし。工費予算総額を変更するときは前項の様式に依り新旧を対照し、理由を附し其の都度之れを届出すべし。
第十五条 工事施工の認可を其の指定期限内に申請すること能わざるときは其の理由を具し、地方長官を経由して申請することを得。
第十六条 工事方法を変更せんとするときは新旧事項を対照し理由を附し認可を受くべし。
第十七条 認可を経たる工事方法の範囲内に於て左の変更を為したるときは理由を具しその都度之を届出すべし。
一 踏切道、道路及河川付替工事の伸縮増減
二 橋梁及随道の伸縮増減
三 停車場に於ける諸建物及側線の伸縮増減
四 車両の増加
五 車両の改造
第十八条 線路を変更せんとするときは理由書及新旧対照図面を添付し認可を受くべし。左記各号に該当するものは前項の書類図面を添付し其の都度之を届出すべし。
一 線路中心線の異動が実測平面図に記せる最初の位置より市街又は家屋稠密の地に於ては左右各半鎖、其の他に於ては各5鎖内に在るとき。
二 施行基面高低の変更が実測縦断面図に記せる最初の位置より市街又は家屋稠密の地に於ては2呎、其の他の地に於いては6呎以内に在るとき。
線路の変更が内務省直轄河川又は著名建造物所在地に関係を有するときは、前項の規定に該当する場合許認可を受くることを要す。
停車場、停留場、連絡所及信号所の名称を変更したるときは其の都度これを届出すべし。停留場を設置しまたは其の位置を変更したるとき亦(また)同じ。
第十九条 鉄道敷設の工事を着手したるときは一週間以内に之を届出すべし。
第二十条 運輸開始後仮工事を施行したるときは理由、工事方法及使用期限を記載し図面を添付し其都度之を届出すべし。
第二十一条 鉄道の事故は之を届出すべし。
第二十二条 免許を受けたるものは、毎営業年度末1月以内に営業報告書を提出すべし。
第二十三条 免許を受けたるものは、鉄道台帳を調整し之を備置くべし。
第二十四条 免許を受けたるものは、鉄道統計を調整し之を提出すべし。
第二十五条 会社に於いて商法に依る登記を為したるとき、または定款を変更したるときは其の都度之を届出すべし。
第二十六条 他の鉄道または軌道と連絡運輸又は直通運転を為すとこは、左の事項を記載し契約書の謄本を添付し実施後1週間内に之を届出すべし。
一 連帯駅名
二 旅客及荷物取扱方法
三 運賃割賦方法
四 供用停車場、倉庫等に関する使用料及其の他の事項
五 線路及車輌の使用料並連帯料等に関する事項
六 運輸及責任負担方法
七 運輸開始の年月日
第二十七条 軽便鉄道の抵当の取扱に関しては軌道抵当取扱規則第一条、第三条、第五条及第六条の規定を準用す。(閣令第6号、明治42年7月21日公布を参照)
第二十八条 免許失効したるときは遅滞なく地方長官を経由し免許状を返納すべし。
附 則
本令は軽便鉄道法施行の日より之を施行す。
軽便鉄道法施行規則附属第一号様式 何々間敷設費用概算書 何鉄道予測線
〃 第二号様式 何々鉄道収支概算書 何鉄道予測線
〃 第三号様式 何々間工費予算書 何鉄道予測線
注5)軽便鉄道法施行規則は、大正8(1919)年4月10日の地方鉄道法(法律第52号)公布により廃止されました。